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NO.218 「1対10の日米女子ゴルフツアーの実力比を縮める秘策とは?その I」

9月17日
読了時間: 11分

更新日:4 日前

「難コースになればなるほど歴然となる日米女子ゴルフツアーの実力差」〜 「では酔さん!その差をどうやって縮めるの?」 「それはね・・・・そのⅠ」 「日本女子プロゴルフ選手権2026」観戦記の続き

 

2026/9/17 23:39 wrote



 さて、前回のブログは「このままでは、日米女子ゴルフの実力差は広がるばかり」「一刻も早く、日本女子ツアーのあり方を変えるべし」について論じる場面となりましたが、いつも通りに5、000字超え・・続きは次回に!」で終わりました。

 

 長らく当ブログをご覧になっておられる方はご存知ですが、上記の見立て(「このままでは、日米女子ゴルフの実力差は広がるばかり」「一刻も早く、日本女子ツアーのあり方を変えるべし」)は、酔狂亭が、ここ数年言い立てている勝手な見解です。

 

 世間(と言っても、ネット上のゴルフ記事界隈)では、むしろ、現在の日本女子ゴルフのレベルは世界レベルに達しており、それは、JLPGAの長きにわたる努力の賜物である、との見方が一般的です。

 

 事実、直近(9月10日)には、サンケイスポーツのゴルフ番記者「鈴木和希」さんによる「番記者が解説~深層 女子ゴルフ日本勢躍進!JLPGAの改革実る」なる記事がアップされています。

 

 以下に、その主要部分だけを引用します。

 

 「・・・・(JLPGA選手の)目覚ましい飛躍の背景には、JLPGAによる国内ツアー改革の影響が少なからずある。現役時代に米ツアーで4勝を挙げた小林浩美会長(63)は「世界で勝つ!!」という目標を掲げ、2013年に「ツアー強化計画」を策定。以降、多様な角度からツアーを刷新してきた。

 

 〝目玉〟として着手したのは、米ツアーで基準となっている4日間大会の増加。改革前の12年シーズンは、全35試合のうち4日間大会はわずか5試合。大半は3日間大会だった。

 

 それから14年。協会はスポンサーや関係者らの理解も得ながら年々少しずつ4日間大会を増やし、今季は初めて全37試合の半数を超え、21試合にまで増えた。

 

 3日間と4日間。たかが1日の差に思えるが、選手にとっては雲泥の差だ。毎日4、5時間プレーするゴルファーにとって、より体力や集中力が求められる。

 

 18ホール増えることで、流れや勢いだけで上位に入ることが難しくなり、より実力が順位に反映されるように。必然的にさまざまな天候の中でプレーする機会も増え「総合力」が問われるようになる。

 

 全国各地で毎週試合がある選手にとって、日々の過ごし方も変わる。通常は試合の2日前、遅くても前日に会場入りするため、木~日曜に開催される4日大会が2週続く場合は、移動を含めると〝オフ〟の時間は激減する。コンディション維持の重要度が上がり、長時間の移動が多発する米ツアーにも必要なタフさが培われる。

 

 また、コースも米ツアーを意識して多様化している。特にシーズンに4試合ある国内メジャー大会では、難度が上昇。


 今年5月の「ワールドレディスサロンパス杯」でコースセッティングを担当した茂木宏美は「選手が世界で勝つためには、という意識が毎年強くなっている」と語った。

 

 ウエッジのスピンコントロールが必要だと考え、同試合ではツアー史上最短となる98ヤードの池越えのパー3を登場させるなど、女子ゴルフ界の将来を考えて工夫を凝らしている。

 

 国内ツアーで成績を残した選手が次々と世界で活躍する姿は、多くのゴルファーのロールモデルになっており、今や若手選手が「将来は米ツアーで戦いたい」と口をそろえる時代になった。米ツアーで戦う先輩の姿を見た次世代の選手が「私も!!」と視座を高めて繁栄してきた日本女子。この好循環は、今後も続いていくだろう。」 


 <引用はここまで>

 

 上記の記事はいくつか正しく、いくつか正しくありません。

 

 まず、四日間トーナメントが半数を超えた(21試合)のは、確かに今季(2026年度)ですが、「渋野」選手や「古江」選手が渡米した2022年の前年度(2021年度)は16試合、「西郷」選手が渡米する2023年の前年度2022年度でも16試合、「山下」、「竹田」、「岩井姉妹」選手が渡米した2024年の前年度(2023年度)とて19試合で、いずれにせよ全試合中の半分にも足りていません。

 

 現状とて今年ようやく半分を超えただけで、四日間競技率は(21試合÷37試合=56.8%)で、2013年から14年もかかっているのに、全31試合中二試合だけ三日間競技が開催されるLPGAツアーの四日間競技率 (2試合÷31試合=93.55%)とは、雲泥の差があります。

 

 また、「茂木宏美」さんが、世界基準を目指してコースセッティングを担当されているのはまったくその通りで正しいのですが、世界基準のセッティングは、毎年メジャー四試合の他にはほんの数試合あるだけで、特に真夏のトーナメントは、酔狂亭がいくども指摘しているように、四日間トーナメントとは名ばかりの「バーディ合戦」とか「スコアの伸ばし合い」という勇ましいフレーズに隠れた凡戦ばかりです。

 

 さらに、「国内ツアーで成績を残した選手が次々と世界で活躍する姿は、多くのゴルファーのロールモデルになっており、今や若手選手が「将来は米ツアーで戦いたい」と口をそろえる時代になった。」とありますが、決して「国内で活躍した選手」が、そのまま何の苦労もなく「次々と世界で活躍した」わけではありません。


 今大会を制した「山下美夢有」選手は、国内無双で年間女王だった2024年、海外メジャー全てに挑戦しましたが、あとで再録する過去ブログにあるように、全米プロ二位は特筆すべきですが、その他のメジャー大会は平凡な成績で終わっており、決していきなり大活躍したわけではないのです。

 

 この年(パリオリンピックイヤーでもあった2024年)、海外メジャーで大活躍したのは、一足お先に渡米していた「笹生優花」選手(全米女子オープン優勝)であり「古江彩佳」選手(アムンディ・エビアン選手権優勝)でした。

 

 前年度の年間女王であった「佐久間朱莉」選手も、今年は積極的に海外メジャーに挑戦しましたが、四試合中二試合で予選落ちを喫するなど、自分の力不足を痛感し、「今シーズンはむこうのツアー(米ツアー)でもうちょっと上に行きたかったけどそれができなかった」「日本でもっと無双しない限りは戦えないと思う。」「全英で自信をなくしてしまった」、「今年のLPGAQテストは受けない」と唇を噛みしめました。

 

 これらのことを踏まえると、一体、JLPGAの改革とやらのどこが日本女子ゴルファーのレベルアップに繋がっているのか、よくわかりません。

 

 このことについて、最初に異議申し立てをしたのは、「古江」選手が海外メジャー「アムンディ・エビアン選手権」を初制覇した2024年7月にアップしたブログ「エピソードゼロ 女子ゴルフウォーズ "AYAKAの逆襲” 〜「”古江”選手の初メジャー制覇の余韻が続く中、「小林浩美」JLPGA会長に噛みついてみる!」(ブログNO.82) http://netsprout.sblo.jp/archives/20240729-1.html でした。

 

 まずは、その再録から始めましょう!


 「・・・・・さきほど終了した「CPKC女子オープン2024」(@カナダ)で「西郷真央」選手が二位でフィニッシュとの朗報が飛び込んできました。

 

 惜しかったけど慶祝!セゴドンに大拍手を送ろう!



 この大会は、今年で50周年を迎えたカナダのナショナルオープンで、以前は「デュモーリエクラシック」という名のれっきとしたLPGAメジャー大会でしたから、大会の格からいっても、今回の「西郷」選手の二位は「全米女子オープン」における「渋野」選手の二位や「全米女子プロ」の「山下」選手の二位に準ずる大活躍と言ってよいと思います。

 

 これで今年度LPGAメジャー大会は、「全米女子オープン」で「笹生」選手が、「アムンディ・エビアン選手権」で「古江」選手が優勝、「渋野」、「山下」選手はそれぞれ二位、準メジャー大会「カナディアン女子オープン」で「西郷」選手が二位ということになりました。

 

 まだ「全英女子オープン」が残っていますが、いま行われているオリンピックになぞらえていえば、「女子ゴルフ」は、金メダル2個(笹生、古江)、銀メダル2個(渋野、山下)、銅メダル1個(西郷)獲得といったところでしょうか。

 

 このうち、「山下」選手を除く四人は全員LPGAを主戦場としている選手ですから、JLPGAを主戦場にしている選手(山下美夢有)のメダル獲得割合は、五個中の一個・・5分の1(20%)にすぎません。

 

 ネット上では、このところの日本人選手の大活躍はJLPGAの世界戦略のおかげである、といった論調が見られますが、上記の事実からしてもまったく納得できません。

 

 「いや、それはLPGAとJLPGA選手の人数と挑戦回数の確率の問題でしょ!」と言われかもしれませんが、二年連続年間女王で今年もJLPGAメルセデスランキング一位の「山下美夢有」をもってして「シェブロン十七位」「全米オープン十二位」「全米プロ二位」「エビアン三十九位」がやっとですから、他のJLPGA選手の実力は推して知るべしです。

 

 先週日曜の夜「ウィークリー女子ゴルフ」に「小林浩美」会長が出てきて、このところの日本人選手大躍進の理由として、「(1)2013年から四日間大会を増やしてきたこと、(2)コースセッティングの難易度にメリハリをつけて、伸ばし合いになるトーナメントはとことんスコアが伸びるようにしていること」を上げて、さも得意げでした。

 

 たしかに(1)四日間大会を増やしてきたこと・・・これはJLPGAが、三日間大会より大会運営費が嵩むことを嫌うスポンサー相手に根気よく説得を続けてきた結果ですから大変評価できます。「小林」会長!偉い!


 でも(2)「伸ばし合いになる時はとことん伸ばし合いにすることにより、選手の意識が積極的になり、それがこの前のオリンピックにおける「稲見」選手の銀メダルに繋がったのです」とのご高説をのたまったのには驚きました。

 

 これは、「川崎春花」選手が、ツアー新記録となる「−28」で優勝した先々週の「大東建託・いい部屋ネットレディス2024」を踏まえての発言でしたが、そもそもオリンピックイヤー2021年開催の同大会に「稲見」選手は出場していませんし、その年(2021年)の「大東建託」のカットラインは「+1」で、むしろ難しいセッティングの部類に入る大会(優勝者「申ジエ」選手の最終スコアは「−15」)でした。

 

 もっと言えば、この時の試合会場は、涼しい北海道の「滝のカントリークラブ」です。



 JLPGAが「大東」の要請に唯々諾々と従い、それまでせっかく涼しい北海道シリーズの一環として行われていた会場をわざわざ褥暑の九州福岡に移し、さらに“とち狂った伸ばし合い路線”に舵を切ったのは、2023年からなのです!(この試合会場移転の一点だけみても、「大東」「JLPGA」のどちらもちっとも選手ファーストでないことがわかりますし、「選手の健康状態を考慮してコースセッティングを易しくした大東とJLPGAは偉い!」という意見がどれほど本末転倒の欺瞞に満ち満ちた愚見であるかが、よくおわかりいただけると思います)

 

 ということで、東京五輪において「稲見」選手が、伸ばし合いの展開の中で「ネリー・コルダ」選手に食らいついて行ったことと、伸ばし合い試合が増えたこととは、なぁ〜〜んも相関関係あらへんねん!(最後は、ダイアンの津田さん風にご唱和ください)


  ところでつい先日、ドライバーヘッドの盗難事件以来あまり情報のなかった「稲見」選手のインタビュー動画がアップされていました。



 思っていたより元気に「油淋鶏定食」をパクついていたのでホッとしましたが、その中で以下のやりとりがあったのでここに再録します。

 

Q:「どうですか、海外は?」

A:「楽しいです!」

Q:「トラブルとかは特に?」

A:「めちゃくちゃあります」

Q:「どうですか?日本に帰ってきて・・」

A:「早く帰りたいです」

Q:「どちらに?」

A:「海外に!」

Q:「千葉よりも?」

A:「はい!」(笑)

Q:「海外と違いますか?」

A:「全然違います」

Q:「コースですか?選手ですか?」

A:「全部・・・コースは難しいです。」

Q:「日本の難しいコースよりも?」

A:「違いますね。芝も違うし・・・日本はコースが難しいんじゃなくて、セッティングで難しくするんですけど、海外はコースが難しい」

Q:「パットとか全然違います?」

A:「芝も違うし、傾斜も全然違うし・・メチャむずいです!」

Q:「アメリカに行ってゴルフはさらに楽しくなりました?」

A:「はい」

Q:「世界のゴルフは大変?」

A:「大変です」

Q:「でもやっぱり世界でやっていきたい?」

A:「楽しいです」

Q:「コースにやりがいのある感じですか?」

A:「それもあるし、技術向上!」

Q:「学ぶことは全然あるというかんじですか?」

A:「(強く頷きながら)環境が全然違うんで!」



 まだアメリカツアー参加一年目、環境の違いに戸惑い、ドライバーのヘッドを盗まれるという悲劇に見舞われても「早く海外に戻りたい」という、三年前の「2021〜2022統一年度」において9勝をあげた無双の賞金女王「稲見萌寧」選手の言葉ですからそれなりに重みがありますが、特筆すべきは、上記の赤字ゴシック体の「日本はコースが難しいのではなく、セッティングで難しくするが、海外はコースそのものが難しい」、またグリーンについても「芝も違うし、傾斜も全然違うし、めちゃムズイです」と述べているところです。

 

 確かに「小林会長」が言うように、アメリカ女子ツアーでも、ティーグランドを前に出してワンオンを狙わせたり、攻めの姿勢を催促するようなコースセッティングはよく見られますし、それはそれなりにスリリングです。

 

 しかし、「小林」会長は肝心なことを忘れています。

 

 それは、「稲見」選手が何度も言うように、アメリカのコースは「めちゃくちゃムズイ」んです!その上グリーンもコースによって「芝が違うし、傾斜も全然違ってめちゃムズイ」のです。

 

 その「ムズイ」コースと「ムズイ」グリーンで戦うことをア・プリオリとした上でバーディを競わせるから、ワクワク感やドキドキ感が損なわれることなく試合が展開していくのです。

 

 テレビインタビューで「小林」会長が言ったように、いかにセッティングにメリハリをつけたとて、そのメリハリをつける日本のコースがそもそも易しいわけですから、そこでどんなハイスコアを出して優勝しても、どんなセッティングであろうがその全試合が難コース、難グリーンで行われるLPGAの大会にいきなり行って勝てるわけないじゃん!(ここも、ダイアンの津田さん風にご唱和ください)

 

 そして、常に難しいコース、難しいグリーンで行われているトーナメントを、さらにそのセッティングまでも難しくした(三難が揃った)時、それがLPGAのメジャー大会仕様となるだけのことなのです。

 

 日米のツアー比較は、コースとグリーンの難度が同条件でなければ成立しない話なのに、「小林」会長の理屈はその前提が崩れている・・・

 

<再録ここまで>

 

 う〜〜ん・・ここまでで、すでに6、000字の表示が出ている!

毎回、ブログの着地点がどこに行くのかは朧げに感じながら筆を進めるのですが、今回のブログは予想を超えて目的地(日米女子ゴルフの実力差を縮める処方箋)までは、かなり遠そうです。

 

 一旦ここで筆を置き、続きは次回にしましょう。


 
 
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