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NO.217 「日米女子ゴルフツアーの実力比は、1対10!」

9月15日
読了時間: 9分

更新日:4 日前

「難コースになればなるほど歴然となる日米女子ゴルフツアーの実力差」〜「日本女子プロゴルフ選手権2026」観戦記 そのⅠ

 

2026/9/15 23:39 wrote



 ついに「日本」と名のつくメジャータイトルを獲得した「山下美夢有」選手!本当におめでとうございます!



 これで日本のメジャータイトル三冠制覇で、残るは「日本女子オープン」だけとなりましたが、ご本人の興味は、もはやそこにはないのでしょうね。

 

 ところで、今大会の最終成績の上位9名は以下の選手ですが、このうち、5名がLPGA所属(黄色の網掛け)、4名がJLPGA所属でした。



 出場選手は、LPGA所属選手が11名、JLPGA所属選手が121名の合計132名。

 

 この陣容で、7位タイ9位までに入った選手はほぼ同数(五対四)ですから、単純に言ってその戦力比は、11対121≒1対10の逆算割返しで10対1です。

 

 ハイハイハイハイ!みなさま!皆まで言わずともわかっておりますよ!これが無理やりなこじつけで、牽強付会であることを!

 

 でもね、これは、単にLPGA代表「山下」選手 vs  JLPGA代表「吉澤」選手のプレーオフ結果論から言うのではなく、随所に、難関コースにおけるコースマネージメントやメンタルの保ち方、そしてパッティング力において、LPGA所属選手のそれは、JLPGA選手のそれに比して「一日の」・・・いや「十日以上の長」(なにせ10対1だからネ)があることが見て取れたから言っているのです。

 

 実際これに関し、試合翌日、いくつかのネット記事が上がっています。

 

 まずは、「勝みなみ」選手のコメントをネット記事から引用しましょう。

 

「なぜ米ツアー組が三日目に急浮上!? 単独首位・勝みなみが語った“私たちの強み”とは?」


“ 米ツアーで培った「耐える力」で単独首位 ”


「本当に耐えて、取れるところは取る。そういう流れを自分でつくっていくゴルフができたと思います」  


<前半略>

 

 三日目は、勝と同じく米ツアーを主戦場とする選手たちが浮上した。

 

 山下美夢有と、この日7連続バーディーの竹田麗央が4位タイ、岩井明愛も6位タイ。初日、2日目に苦しんだ実力者たちが、難コースへの対応力を見せている。  

 

 その理由を、勝は米ツアーで積んだ経験にあると分析する。

 

「ラフが深かったり、絡んでいたりするコースはアメリカに多いので、経験値はあると思います。アプローチのバリエーションも多く持っている。パーで耐えながらバーディーを取っていくゴルフは、米ツアーで戦う私たちはできているのかなと思います」  

 

 また、別の記事において、「山下」選手は以下のようなコメントを残していますから、こちらも引用してみましょう。



 「ラフからは1度もパーオンできなかった。ラフに入れると本当に難しかった。ボールは沈んでいるし、全然飛ばない。距離も長いけど、ウッドとかではグリーンを狙うことはできなかったですね」


 4日間のパーオン率は73.6%(53/72)だが、グリーンに乗せたのは、すべて69.6%(39/56)のキープ率だったフェアウェイからのショット。「ホント、ラフから一度も乗っていないんです」。今大会に出場した選手が誰もが「一番大事なこと」と口にしていたフェアウェイキープ率は31位。それでも、ピンチを回避し、傷は最小限に抑えた。


 普段通りに淡々とプレーしたという。一方で、優勝したい気持ちも強くあった。相反する思いはティオフを境に自然と切り替わる。「プレーに入ったらほかのことはあまり考えない。勝つためにやるべきことを考えるだけ」。自然と身につけたセルフコントロールも世界のトップクラスに成長した大きな力となっている。


 難しいコースセッティングにも、ひるむどころかワクワクする。「やっていて本当に楽しい。どうやったらバーディが取れるのかとか、いろいろ考えることが多くなってくる。そういうセッティングが増えたらゴルフが楽しくなりますね」。最強のメンタル。山下の強さの根源にあるものは、この言葉に凝縮されているといっていいだろう。

 

 <引用ここまで>


 さて、プレーオフ進出にあたり、「吉澤」選手は、仲良しの「桑木」選手に「プレーオフではどういう気持ちで臨めばいいですか?」と訊き、桑木選手は「気持ちだけは負けないで」とアドバイスしました。

 

 結果としてこれが空回りしました。「桑木」選手は、これまでなんどもプレーオフにおいて、「桑き」ではなく「弱き」になって敗れており、その経験から「気持ちだけは負けないで」という助言になったのでしょうが、まだ経験の浅い「吉澤」選手は、「気持ちで負けない」イコール「力を入れる」ではないはずなのに、ついつい力んでしまいました。

 

 しかしこれを責めることはできません。

 

 「山下」選手とて、デビュー年度においては、当時無双化していた「稲見萌寧」選手や、「岩井」姉妹にいくども競り負けて悔し涙を流していました!

 

 そこから、「山下」選手は、「稲見」選手や「岩井」姉妹に勝つにはどうしたらいいのか?を徹底的に考え、100ヤード以内の精度を極限まで高めることと、常に平常心でいること(「プレッシャーのかかる場面ほど、自分のできることを淡々とやるだけ」)を第一義と考え、それを血肉化するように己れの心身を鍛錬していたのです。

 

 ところで、今大会における印象的なショットとして、「山下」選手の最終日の本戦18番におけるセカンドとサードショットを上げる方は多いと思いますが、酔狂亭もまったく異存ありません。


 このとき「山下」選手のティショットは右に曲がり深いラフに掴まります。しかし18番のティ付近にはスコアボードがあり、「吉澤」選手が16番(この日一番易しいパー5)でバーディを取っていない(9アンダーで並んでいる)ことを確認していた「山下」選手は、無理にセカンドでグリーンを狙わずレイアップを選択、得意の100ヤード以内を残し、計算通り難しい18番をパーで切り抜け、プレーオフに備える戦術をとりました・・というかこの時点で、彼女が優勝するには、それ以外の選択肢は残っていませんでした。

 

 というのは、もし比較的易しい次の17番パー3で「吉澤」選手がバーディを取れば一打ビハインドになり、そのまま18番をパーで上がれば「吉澤」選手の優勝確定です。

 

 しかしなんと言っても、最終18番は難関ホールですからそこでボギーの可能性もある・・・そうなればまだわずかながらも優勝の可能性が残っている・・そう考えた「山下」選手は、自分ができる最終最後最善手段(プレーオフ)に持ち込めれば優勝の可能性がある、その一筋の光明に賭けたのです。

 

 これぞまさに「プレッシャーのかかる場面ほど、自分のできることを淡々とやるだけ」でした。

 

 「さぁ、あとは後続の結果を待つだけ」、「もしこれで負けたとしてもやるだけのことはやったから悔いなし」の心境!


 そして予想通り、勝負は「吉澤」選手とのプレーオフに持ち込まれます。


 その一ホール目。「山下」選手がティショットをフェアウェイにおいたのを見た「吉澤」選手のそれは右に曲がり深いラフにすっぽり。

 

 はい、そうです。これは、本戦の「山下」選手とまったくおんなじ状況。しかし、本戦で「山下」選手は冷静にレイアップを選択したのに対し、「気持ちだけは負けまい」と思った「吉澤」選手はグリーン方向のフェアウェイを狙いますが、無情にもボールは左のバンカーへ。これが命取りとなり、パーパットもショートして悔しい敗戦となりました。

 

 これを、両選手のマネジメントや貫禄の違いと言ってしまってはそれまでですが、決してそうではありません!

 

 この違いは、日頃からこういうシビアなコースで戦っているLPGAの選手と、メジャーセッティング以外では経験することが少ないJLPGA選手との違いでしかないのです。

 

 ここで今一度、冒頭で取り上げた「勝」選手の「私たちの強み」を思い出してください。

 

 She said 「ラフが深かったり、絡んでいたりするコースはアメリカに多いので経験値はあると思います。アプローチのバリエーションも多く持っている。パーで耐えながらバーディーを取っていくゴルフは、米ツアーで戦う私たちはできているのかなと思います」  

 

 この経験値の差なのです。


 酔狂亭は日頃から「このままでは、日米女子ゴルフの実力差は広がるばかり」「一刻も早く、日本女子ツアーのあり方を変えるべし」と訴えていますが、今回、まさにこのことを思い知らされることとなりました。

 

 今回のテーマはまさにそこなのですが、そこに切り込む前に、もう一点だけのLPGAとJLPGAとの明らかな差について・・

 

 それはパッティング力!

 

 最終日の配信を観ていた方は、うすうす気づいていたと思うのですが、最終日のバックナイン(特に上がりの三ホール)において、優勝の可能性のあったJLPGAの選手のパットがことごとくショートしていたのに対し、LPGAの選手のそれはことごとくカップをオーバー(圧巻だったのが、16番における「勝」選手のイーグル奪取)していたことを。


 とくに「吉澤」選手は、17番、18番ともに入れれば首位に抜け出せるパット(それにプレーオフのパーパット)もショートしました。

 

 それに比べて、優勝にこそ届かなかったものの、決勝ラウンド三日目における「竹田麗央」選手や「岩井明愛」選手、さらには最終日の「畑岡奈紗」選手の怒涛のバーディラッシュ、そして最終日の「山下」選手のクラッチパットは決してショートすることはありませんでした。

 

 ここでも先の「勝」選手のネット記事を引用します。


「アンジュレーションのあるグリーンの読み方にも米ツアーとの共通点があり、ラウンドを重ねるにつれて感覚をつかんだ。」

 

 束の間日本に帰ってきて、ほとんどぶっつけ本番であっても、予選ラウンドでグリーンコンディションを掴むやいなや、決勝ラウンドでは一挙に攻めのパットでグイグイ追い上げていく姿勢・・・それらが相俟って決勝ラウンドになって、LPGA選手が追い上げてきたのです。

 

 実は、この日米の女子ゴルフツアーの「パッティング力の違い」については、すでに四年前の2022年にアップしたブログ(当時はメーリングリスト「LS17」上)でアップしておりました。

 

 早速、それを再録しましょう!

 

「日米女子ゴルフツアーの差はパットの差」 〜 “アクサレディス2022”感想戦とドライビングディスタンス 〜

 

2022/3/27 wrote



<感想戦>

 

 「大混戦でした!」といえば聞こえはいいですが、36ホールの短縮競技だったこともあり、一言で言えば「大凡戦」でした。

 

 せめて「西郷真央」と「山下美夢有」の仲良し同級生対決のプレーオフにでもなっていればもう少しワクワクしたと思いますが・・・

 

 もちろん「西郷」選手の二勝目には文句のつけようもないのですが、特に今週は早朝から「しぶこ」や「古江」「畑岡」が出場している米国ツアーの「JTBCクラシック2022」がwow!wow!で放送されているのを見ているので余計にその思いが強くなってしまいます。

 

 何が違うって「パッティング」が違いますネ。

 

 上手、下手ではなく、あちらは七割以上の選手が常に強気にオーバー目に打っていくのに対し、日本女子ツアー選手は逆に七割がショート!

 

 その違いは日米ツアーの平均飛距離の差よりも大きいのではないでしょうか?

 

 思えば、「シブ子」が我々の目の前に彗星の如く現れたとき、その“スマイル”もさることながら、常に強気でオーバー目に打ってくる“壁ドン”パットにこそ瞠目させられ、魅せられたのです。

 

 今の日本女子ツアーで「あん時のシブ子」のような強気な攻めのパットを打つ選手があまり見受けられないのはなんとも残念!



 それと競技とはまったく関係ありませんが、アメリカツアー選手たちのウェアのなんとまぁ地味なことか!日本ツアーの華やかなウェアとは別の意味で彼我の差がありますな!

 

 さてさて、今回の本丸・・・

 

 「このままでは、日米女子ゴルフの実力差は広がるばかり」「一刻も早く、日本女子ツアーのあり方を変えるべし」について論じる場面となりましたが、いつも通りに5000字超え・・続きは次回に!


 
 
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